今回ご紹介するのは「わくわくにっこりマーケットリボーーーン」。3年前から毎年開催されていて、作家さんとのコミュニケーションが取りやすいとてもアットホームなクラフトマーケットです。私も作家としても参加させてもらっていて、毎回温かい人とのご縁があり、開催をとても楽しみにしています。
今回は主催者の方にお話を聞き、さらに深くイベントを楽しんできました。
福井市の直売所で楽しめるクラフトマーケット
「わくわくにっこりマーケットリボ―――ン」の会場は、「JA福井県 喜ね舎 愛菜館」の喜ね舎ホール1階。福井駅からすまいるバス城東・日之出方面に乗って約20分。上北野公舎前で下りて、東に徒歩約6分のところにある大きな直売所です。
喜ね舎は手作りのお総菜やカフェも人気の場所です。広い駐車場があるので車での利用もとても便利。
2021年から毎年開催されているのが「わくわくにっこりマーケット リボ―――ン」。不定期ですが年に1、2回開催されている県内の作家さんが集まるクラフトマーケットです。
オープンは午前8時半。クラフトイベントとしては早いオープン時間ですが、喜ね舎の開店時間に合わせています。終了は午後4時。クラフトマーケットと直売所の両方を楽しむことができますよ。
コンセプトは名前の通り、「わくわくにっこり」。
イベントに足を運んでくれるお客さんはもちろん、出店する作家さんにも楽しんでもらいたいという気持ちが込められています。
大規模なイベントではなく、作家さん同士、お客さん同士、作家さんとお客さん同士がつながっていけるイベントを目指しています。
7回目の開催となる今回は計12店舗が参加。マルシェブースの他に、初めてフリーマーケットやライアー演奏会も行われました。
関わる人、誰もが笑顔になるイベントを
わくわくにっこりマーケットは、主催者の布小物作家・tomippleさんが12年前にスタート。
それ以前からハンドメイド作家として活動を続けられているtomippleさん。当時は今のようなクラフトハンドイベントはずっと少なかったそうです。
約2年間の作家活動を通じて、「自分にとってうれしい空間を作りたい!」という想いからできたのが「わくわくにっこりマーケット」。それまでのイベントなどで知り合ったメンバーを誘い、ご自身でイベントを始めました。
当時は会場も別の場所。ステージ演奏があったり、厨房があるので飲食ブースもあったりしました。何年か続けていましたが、ご自身の子育てもあり、イベントの開催をしばらくお休みに。
3年前、当時の喜ね舎の所長さんが、ホールで何か企画をしてくれる人を探していたそうです。ちょうど子育ても落ち着いたところで、ぜひやりたいと名乗りを上げました。
そして、今の「わくわくにっこりマーケット リボ―――ン」として再スタートされたそうです。
「作家さんにも楽しんでもらえる空間を」というイベントへの想いは、ご本人も作家をされているからこそ出てきたもの。
作家さんもお客さんも巻き込んだコミュニケーションからは、手作りのものを売り買いする以上の価値が生み出されます。
人と人とのつながりが生まれる空間づくり
「お客さんにも、作家さんにも楽しんでもらう」ためには、まず自分自身がその人のことをよく知っている必要があります。
多くのクラフトイベントでは出店者を一般募集していますが、わくわくにっこりマーケットでは、tomippleさん自身が作家さんに声をかけています。
もちろん、第一歩はご自身が好きな作家、アーティスト、お店であること。しかし、それ以上に、初めて来てくれた人に心からおすすめできる人に声をかけているそうです。
マーケット開催中、tomippleさんは積極的に作家さんを会場の色んな人に紹介しています。1店舗ずつまわって作家さんに声をかけたり、お客さんに作品の紹介をしたり。
私が作家として参加させてもらう時も、たくさんの人に作品を紹介してもらっています。
自分から紹介すると押し売りみたいになってしまうので、つい口数が少なくなりがちに。でも、となりからさりげなく紹介してもらうとお互いに話しやすくなります。
お客さんには積極的にお店の人に声をかけてほしいというtomippleさん。ご自身もハンドメイド作家なので、作品に作り手が想いを込めていることをよく理解されています。
作品一つ一つの名前や、ストーリーをぜひ直接作家さんに聞いてほしいと言っていました。
「わくわくにっこりマーケット」の特徴は、お客さんの滞在時間が長いこと。ワークショップが多く、お客さんも混雑するほど来るわけではないので、じっくり体験できるという点もあります。しかし、それ以上に一人一人のお客さんと作家さんの会話が弾んでいることが多いのです。
自然と、参加する作家さんのリピート率も高めに。
人と人のつながりを大切にする。お客さんにも作家さんにも楽しんでほしいという想いが、しっかり実現されているクラフトイベントです。
オリジナル作品とワークショップがもりだくさん
今回の「わくわくにっこりマーケット」に参加したお店は12店舗。毎年参加しているおなじみのお店もたくさんあります。長い人は初期の12年前からずっと関わっています。
お店のバリエーションは様々。施設の関係で飲食関係は出店できませんが、それ以外の内容はなんでも取り入れています。
これまでには、メイク体験やヘアセット体験のお姉さんが来てくれたことも。
ハンドメイドの作品には、ドライフラワーやオーガニックコットンのお洋服がありました。こだわりの素材が使われており、見た目もとてもおしゃれです。
みつろうラップやナマケモノグッズ、知育ポスターなど、一点一点手作りの作品もずらり。
気になるけど、なかなか買う機会がないものも、作家さんと話す中で使ってみたいと思います。
ワークショップが楽しめるお店もたくさん。ワークショップは作家さんとお客さんがじっくりコミュニケーションをとることができると、おすすめしてもらいました。
ペーパービーズワークショップは、色をつけたコーヒーフィルターで作るアイデアグッズ。細く切ったフィルターをくるくる巻く簡単な作業ですが、大人も子どももはまってしまいます。
できあがったビーズを糸に通すだけなら、もっと小さい子どもも楽しめますと、教えてもらいました。
パステルアートやお野菜スタンプ、パワーストーンブレスレットなど、家ではなかなかできない作品がずらり。作り方を教えてもらいながら自然と会話もはずみます。
写真撮影をしてもらえるフォトブースもありました。写真館に行かなくても、気軽にきれいな写真を撮ってもらえます。お一人でも家族やお友だち同士でもおすすめ。
さらに今回は、初のフリーマーケットとライアー演奏会を開催。
フリーマーケットは大好評。オープンから店じまいまで、色んな年代のお客さんが絶えず訪れていました。
小さなハープのような、ライアーという楽器による演奏会。とても心地よい音色にうっとりしてしまいます。
会場全体がとてもリラックスした雰囲気に包まれました。
これからも「わくわくにっこり」な空間を
クラフトマーケットはモノづくりに出会える場所。
お店を通してでは見えづらいモノの向こうの背景が見えてきます。
作品に込められた想いとそれを伝える作家さん。その作家さん自身が見え、人となりが分かるのがクラフトマーケット。
それらが見えてくることでその作品に思い入れがわき、モノを大事にしようという気持ちが芽生える。
「わくわくにっこりマーケット」は人と人、人とモノをつないでくれる空間でした。
この秋には「わくわくにっこりマーケット」の想いを大切にしつつ、さらに多くの人にハンドメイドの良さを伝えるイベントが開催されます。
第2回目となる「わくにこロハスマーケット」は2024年10月5日・6日に開催予定。アートと自然が融合する金津創作の森が舞台です。
規模は大きくなりますが、参加する全ての人を笑顔にする、温かくやさしいクラフトマーケット。ぜひ足を運んでくださいね。
わくわくにっこりマーケットリボーーーンvol.7
会場:福井県福井市河増町9-10-1(JA福井県 喜ね舎 愛菜館)
アクセス:JR北陸本線「福井駅」より徒歩約46分
すまいるバス城東・日之出方面「上北野公舎前」から徒歩約6分
JR北陸本線「福井駅」より車で約8分
開催日:2024年4月14日(日)
開催時間:8:30-16:00