福井市の美術館でアートと北欧を感じるカフェタイム「カハビタウコ」

福井市美術館にオープンしたカフェ、カハビタウコ。名前がフィンランド語、メニューにシナモンロールという北欧のイメージがとても気になっていました。
「シナモンロールは絶品」と、訪れたことがある友人たちも大絶賛です。
カフェの中はさらに北欧の雰囲気に満ちていました。美術館という美しい空間がさらに気持ちを落ちつけてくれます。
今回は北欧にコンセプトを置いた、美術館内ならではのカフェをご紹介します。

福井市で北欧を感じるカフェ、カハビタウコ

カハビタウコは福井市美術館アートラボふくいの2階にあるカフェです。
福井駅から62系統一乗谷東郷園にのり、「下馬」のバス停で下ります。バス停から道を少し戻り、最初の交差点を左へ。まっすぐ進むと緑豊かな公園が見えてきます。駐車場の真ん中を通り、駐輪所の横を進んでいくと建物が見えてきます。

福井市美術館の正面、ロータリーには大きな丸い屋根がありとても芸術的。真下の自動扉から中に入ることができます。
カハビラウコは美術館の2階。受付を抜けてエレベーターから2階へ上がります。ちょうど企画展の入り口の前にカフェがあります。
美術館の中に入るためにお金を払う必要があると思う人が多いそうですが、企画展や常設展を見なければ中に入るのは無料です。カフェだけの利用ももちろん可能。

受付の前を通るのは恥ずかしいという人は、正面入り口から見え左手側。トイレのある階段を上に上がるとカフェにつながっています。ちょうどカフェの反対側から入ることができますよ。
カハビタウコは2024年6月にオープン。オープンは福井市美術館で開催された企画展「金魚絵師 深堀隆介展」と同時でした。
お店の名前、カハビタウコはフィンランド語でコーヒータイム。カハビ(Kahvi)はコーヒー、タウコ(tauko)は休憩を意味するそうです。なんとフィンランドは1日7回もコーヒーを飲むコーヒ―大国。コーヒータイムのための単語があるのも納得です。
お客さんは年配の人が多め。美術館の中でゆっくりとした時間を楽しむ人はまだまだ限られるようです。
しかし、カハビタウコのデザイン性あふれ、落ち着いた雰囲気は幅広い年代に響くこと間違いなしです。
緑に囲まれ、フィンランドを想起するような店内で静かにゆっくり過ごしてもらいたい。カハビタウコはそんな想いがつまっています。

緑に囲まれた静かな空間でコーヒータイムを

福井市美術館には以前もカフェがありましたが、しばらくお休みに。コロナ禍で運営もできず、空きスペースのままに。このまま休憩スペースにするのはもったいないということで、今のオーナーさんが手を挙げました。
美術館のカフェはやりがいがある、とも思ったそうです。特に福井市美術館は有名な建築家、黒川紀章さんが手がけたデザイン建築。外観も内装もとてもデザイン性が高く、アートを楽しむのにぴったりの雰囲気です。

カフェスペースは美術館の建物の真ん中。美術館自体と一体化しためずらしい配置です。
カハビタウコに入るととてもよくわかりますが、窓から見えるのは一面の緑と澄んだ青空。お店に行った日は特に天気がよく、美しい風景が広がっていました。

木々に囲まれた、落ち着いた雰囲気。美術と言う知的刺激もある場所はカフェとしてとても魅力的です。
オーナーさんは茶道もたしなんでいるそうで、季節の移ろいを感じるという点でも魅力的な場所です。カフェから見える木々が季節によって色を変える姿は今からとても楽しみです。
季節の移ろいはフィンランドの雰囲気にも近いところがあるそうです。実際に北欧を旅したスタッフさんのアイデアも加わり、北欧風のカフェが誕生しました。

カフェの中では北欧家具も楽しむことができます。デンマークの有名なデザイナー、アルネ・ヤコブセンのアリンコチェアもあります。デザイナーズチェアで飲むコーヒーはさらにおいしそうです。

焙煎珈琲とシナモンロールで北欧風のカフェタイム

写真提供:カハビタウコ

カハビタウコの看板メニューはシナモンロール。フィンランドが舞台となった映画「かもめ食堂」でもおなじみです。
シナモンロールがピックアップされた理由はもちろん、北欧のイメージから。また、福井市美術館全体のイメージからも来ています。
福井市美術館の中は廊下がらせん状になっています。ぐるりと歩きながら2階へ。歩いてカフェまでのぼっていくこともできます。
らせんの廊下はシナモンロールにそっくり。看板ニューとしてもぴったりですね。

シナモンロールと一緒に飲みたいコーヒーは福井で焙煎したもの。コーヒーメニューもいくつかあります。テイクアウトもできるので、公園の中でも楽しむことができますよ。
カフェラテメニューは少し変わっていて目を引きます。ウィスキー風味はウィスキー樽に入れた豆を使っているそうです。そのため風味がウィスキーになるそうですよ。他ではあまり見ないメニューです。

抹茶を使った飲み物やスイーツメニューもいくつかあります。
どのメニューも魅力的で選ぶのにとても時間がかかりました。

アートとコラボした期間限定メニューもおすすめ

福井市美術館にあるカフェならではのメニューもあります。
美術館の企画展と合わせたコラボメニュー。
オープン時の展示は金魚がテーマ。コラボ商品は「青と金魚」。ブルーノクリームソーダの中に、金魚の形のゼリーが泳いでいます。
展示はすでに終わっていますが、夏の暑さと見た目の華やかさから人気メニューに。まだ注文することができたので飲んでみました。
見た目からとても涼しげ。金魚の泳ぐ雰囲気がとても愛らしいです。
企画展中は自分で金魚を泳がせることができる金魚すくいソーダもあったそうです。
自分で作る楽しみのある体験型メニューは企画展と合わせることで面白みが増します。まさに美術館の中だからこそのメニューですね。

9月の企画展は安野光雅さんの作品を展示した「安野先生のふしぎな学校」。安野さんのさまざまな作品を学校の科目に見立てて展示しているそうです。
カハビタウコで楽しめるメニューは「ふしぎなお茶」。カップの中のお茶の色に注目です。
今後のコラボ商品もとても楽しみですね。

カハビタウコからはじまる新しい時間

まるで北欧にいるような居心地のカハビタウコ。
どれもおいしそうなメニューは魅力的で何回も足を運びたくなります。コラボメニューも毎回楽しみです。
次に挑戦したいのは「ペイフォワード」だそうです。ペイフォワードとは、自分がいいことをしてもらったら、その人は次の人にいいことしてあげるという考え方。日本語では「恩送り」というそうです。
例えば、コーヒーチケットを買って、メッセージもつけて誰かのためにお店に置いておく。チケットはお店に訪れた人が使うことができます。
お互い知らない人同士でも、繋がりが生まれるのはとてもロマンチックですね。実現する日がとても待ち遠しいです。
美術館のカフェという他にはない場所。過ごし方は人それぞれ。
おいしいコーヒーとシナモンロール。静かな空間。白に映る豊かな自然。
アートに囲まれたいつもよりちょっと上質な空間で、コーヒータイムを楽しみましょう。

★福井市美術館cafeカハビタウコ
住所:福井県福井市下馬3-1111 2F
アクセス:京福バス62系統東郷線「下馬」下車、徒歩約5分
営業時間:平日13:00〜17:00
     週末10:00〜17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(日曜日を除く) 
※開店日はInstagramにて随時お知らせ

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。